これまでのドリフェス!これからのドリフェス!

3月5日から約1週間がたった。

あの日、最後通牒を突きつけられるとはこういうことかと思った。

 

彼らが今、どんなことを考え感じているのかは本人にしかわからないが、あんなことしたい、こんなことやりたいと未来を語ってくれた姿を思い出しては打ちのめされたし、ツアー中やバトルライブでの言葉を思い出しては胸を痛めた。邪推や憶測もたくさんした。

唯一の救いは、今振り返ってみてもこうすればよかったとか、ああすればよかったというような、己の行動に対しての後悔がほとんどないことだろうか。

2017年年明けのファンミーティング02から先日のパシフィコ横浜に至るまで、とにかくドリフェス!関連で2次元3次元問わずいろいろなところに行った。わたしは出席確認でわりと忘れられがちな中国地方に住んでいるが、飛行機の機内誌をほぼ毎月読んでいたほどには人生で一番飛行機に乗っていた期間だった。アプリへの課金やCD類円盤類等の購入も含め、過去の自分にできる範囲のことはこれ以上なかったと思う。

念のため言っておくが、これらに関しては「こんなに頑張ったのに!」と恨みごとを言いたいわけでもマウントをとりたいわけでもなく、「彼らのために行かなきゃ!」とかそういう義務感や使命感に駆られてとった行動でもない。単純にわたしがただ行きたくて行っただけだ。彼らの姿を見たくて行ったというよりほかない。体力的な無茶はしたが、精神的な無茶は一切しなかったと断言できる。インフィニティ・スカイの歌詞のように「今が最高なんだ!」といつでも思った。そんな風に応援させてくれる楽しさや魅力がドリフェス!にはあった。いや、ある。

 

ベタなモノローグのような導入でお恥ずかしいが、ドリフェス!との出会いは忘れもしない、2年前の夏だった。

存在は知っていた。アイカツ!スタッフが男性アイドルものを手がけるということは聞いていたし、一番最初に公開されたビデオクリップも見た。ヴァンパイアロードシリーズを身にまとった奏くんを見て、「ロリゴシックじゃん!」とつっこんだ記憶がある。(後々衣装ジャンルがPOPSなことにびっくりした。ROCKじゃないんかい!)しかしその時はまだアイカツ!への夢と希望に満ち満ちていたし、男性アイドルというものに特別入れ込んだことがなかったというのもあるが、「着せ替えは女性アイドルの可愛い衣装でやるから楽しいのでは?」とあまりピンときていなかった。

それでも、「ドリフェス!はいいぞ」的な呟きをツイッターで見かけ、ふーんドリフェス!っておもしろいんだな~という悪くはない印象を抱いていたし、思えばこのとき種だけは撒かれていたのかもしれない。あと、舞台BROTHERS CONFLICT通称ブラステが好きな友人知人が何人かいたので、朝日奈風斗くん役の男の子がドリフェス!プロジェクトに関わっていることも知っていた。そう、DearDreamの黄色担当、佐々木純哉こと富田くんである。ちなみにブラステは友人にDVDを見せてもらったが、想像していた50倍くらいおもしろかった。このとき彼に抱いた印象とドリフェス!研究室諸々で見せる姿に差がありすぎた為、富田くんてこんな子だった!?と当初はよく思っていた。

だからと言って早速アプリをダウンロードしたというわけでもなく、それどころかDVDを見せてくれた友人に対し、「この子ドリフェス!のキャストさんなんだね~ドリフェス!はねアイカツ!の親戚なんだよ。だからアイカツ!見よう」とわけのわからない超理論を展開していた。ヤ○ザか?

又、超理論展開時とほぼ同時期だったかと思うが、アイカツ!の歌のおねえさんたち目当てでDDがゲスト出演したニコ生の配信も見ていた。そのときの彼らに関しては初見ながらなんだかハラハラした記憶が強いのだが、目標だったか夢だったかを聞かれて「東京ドーム」と答えていたことを今ふと思い出した。夢でっかいな!と思ったのでなんだか印象に残っている。そうか、この時点で言っていたのか、東京ドーム。

あとはお絵かき対決の絵がなかなかやばかったことと、黒げ危機一髪に参加していた子の顔がかわいいなと思っていた記憶がある。黒ひげ危機一髪の彼がその後推しになることをこの頃のわたしは知る由もなかった。案外覚えているものである。

 

わたしの愛するアイカツ!は最終回を迎え、後継番組がはじまってから数ヶ月が経とうとしていた。

正直戸惑っていた。監督もシリーズ構成も違うのだから毛色が変わるのは当たり前だ。これに関してはあくまでわたしの気持ちの問題であり、肌に合わなかったというよりほかない。それでも夏までは追いかけようと視聴を続けていた。しかしやはり、そこにわたしが求める“アイドル”はいなかった。対象年齢から大きく外れたわたしに騒ぎ立てる権利はない。メインターゲット層が楽しんでいるのならそれでいいはずだ。それでもやるせなかった。そんな中、わたしにアイカツ!をもたらした友人がとあるアプリをダウンロードした。そう、ドリフェス!である。

リズムゲーム楽しいし曲いいよ!」「ドリフェス!ダウンロードしてよ」

好きな人間の言うことをわりとなんでも聞きがちなわたしは、オケオケオッケー!と二つ返事でドリフェス!アプリをダウンロードした。

 

結論から言うと、ドリフェス!はわたしを救った。

わたしは2次元においてカップリングを成立させることが大好きな仲人気質だが、アイドルに関してだけはそれが当てはまらず「お前のために歌うよ」などと秋波を送られようものなら「いやファンの為に歌えや!!!!!!!」とキレ散らかすタイプの面倒なおたくだ。それゆえにドリフェス!のアプリは非常に居心地がよかった。わたしをただの名も無き〝ファン″でいさせてくれたのだ。観客席からライブを見たり、画面越しに番組を見たりする、そういう一ファン。わたしにできるのは応援(エール)を、ドリカを飛ばすことだけである。

当時男性アイドルを3Dモデルで踊らせることのできるリズムゲームドリフェス!が初めてだったと思う。

着せ替えも男の子でやってもなあと思っていたのが嘘みたいに楽しかった。はじめてのイベントの報酬衣装が水着だったの、今考えてもどうかと思う。大好きです。

ガチャに関しても、ランウェイの背景にまずブランドが出て、その後衣装が表示される演出に心躍った。モフモフくまさんシリーズのTOPS&BOTOMSという名のくまの着ぐるみが出たときはそのわけのわからなさに爆笑してものすごくテンションが上がったのを覚えているし、しばらくの間それしか着せなかった。その後無事にモフモフくまさんキャップも出てはしゃいだ。しばらくの間それしか被せなかった。ドリアピボーナス付くし。

そう、ドリアピ。ドリームアピール。ファンに向けたライブパフォーマンスだ。楽曲と衣装のジャンル一致や、特定の衣装シリーズ固有のものなど発生条件があるのだが細かいことは置いておいて、これが異様におもしろかった。言葉選びに並々ならぬセンスを感じたし、アピール名も演出もどんどんキレを増していった。初期は『千本キッス』が思い出深い。千本キッスって……何だよな?!どれが一番好きかと聞かれると甲乙つけがたく未だに決めかねるのだが、『君のエールに可視化LOVE』、『ダイヤモンドダストロマンティックハグ』、『チョコんと座るキミはラブリー♥デビル』、『ジャンケンポン☆こっち向いてキュン☆』といくつか名称を並べるだけで楽しくなってくる。誰が考えてるんだろうといつも思った。天才の所業である。

曲に関しても、当時存在していたものは特にそうだったが、キャラソンでもアニソンでもなく、あくまでアイドルソングという感じで新鮮だった。自分のことではない歌に気持ちをのせて歌っているのがいかにもアイドルらしくてとても良いなと思った。MAYBE, LADY!とは曲そのものと恋に落ちたし、SAKURA LETTERでは脳内でMADをつくった。

ユレルMIDNIGHTやButterfly Girlといった、いわゆるDANCEジャンルの大人びた曲も震えるほどかっこよくて大好きになった。

わたしはリズムゲームが非常に苦手というかそもそもゲーム自体が不得手で、最初は本当に苦戦したけれど、曲が良すぎて叩くのは苦ではなかった。どんなに間違えても最後まで叩かせてくれるのもありがたかった。今ではHARDも全曲フルコンできるし、曲によってはたまにフルパーフェクトも出せるようになった。継続は力だ。

アプリでは応援アイドルとして7人(当時はKF襲来前の為DD5人)の内からセンターを選んで踊らせることができるのだが、前述のブラステ視聴により富田君のみ微妙に馴染みが生まれていた為、始めたばかりの頃はセンターに純哉くんを据えていた。しかし色々と思うところあって、あえて普段は選ばないような子をセンターにして遊んでみようと思いたった。そこで選んだのが及川慎くんだった。いわゆるテンプレートな青系のクールキャラかと思いきや、人となりが少しずつ明らかになっていくほどにわたしは彼に夢中になった。慎くんはとても可愛い子だった。おばけが怖くて、高いところが怖くて、でもそれをメンバーや視聴者には隠す。もちろんすごく真面目で賢くて落ち着いているんだけれども天然で、見た目や口調の硬い印象とは裏腹におっとりしているというか、思っていたよりもはるかに穏やかで優しい、やわらかい子だった。徹頭徹尾ボケ側で、意外とノリもいい。いかにも理詰めで畳み掛けてきそうな容姿(偏見)なのにキャッチコピーが青のロマンチスト。ロマンチストの名に恥じず、ポエムをしたためたり作詞もたしなむ。好きな人は?と聞くと「両親」と答える。わたしがお母さんなら泣いてるし、お母さんじゃなくても泣いた。ファンに「慎さま~!」と様付けで呼ばれ、「クールプリンス」と評されているところもまた良かった。内面が王子様タイプというわけではないのに、その美しい見た目の力で世間的に王子様扱いをされていることが最高だった。(それに対して純哉くんがファンから「純哉」と呼び捨てにされているのもファン層の違いを感じられてまた最高)ほんとはもっと色々細かく挙げたいがキリがない。

 

アプリで慎くんをセンターに選ぶと、「俺に期待しているのか?」と問いかけてくる。わたしはいつも「してる~!」と答えた。ずっと慎くんに期待しているし、これからもし続ける。期待が裏切られたことは一度もない。わたしにとっても青は幸せな、特別な色になった。

 

そして、アニメの先行配信がはじまった。シリーズ構成はアイカツ!でお馴染みの加藤陽一さんだった。期待以上の、サイコー超えてるアイドル活動がそこにはあった。わたしの求める“アイドル”にまた会えたのだと思った。アプリにおいてはDDがすでに結成されておりデビューした後の彼らの姿が見られるが、アニメではデビュー前の彼らの姿が描かれていた。1話から衝撃だった。とんでもなかった。OP映像に盛り込まれた情報にまず「え~~~~~~!?」とびっくりしたし、これまで特別強い印象のなかった奏くんの笑顔に心を奪われた。三神さんが見抜いた彼のアイドル性に説得力しかなかった。「聞いてないよ!!!!!」と思わず声に出してしまうような、これまでアプリやキャラクターのツイッターで小出しかつほのめかされてたこと、知り得なかった彼らの一面や過去、人間関係といった様々なエピソードが次々に明らかになっていった。アプリになかった新曲まで出てきた。及川慎くんはこだまさおり(敬称略)という名の天才作詞家だった。わたしは2032芸人と化した。

慎くんだけでなく、物語がすすむごとにDearDreamのことが、KUROFUNEのことがどんどんどんどん大好きになった。箱押しの概念を理解した。もしこれを読んで下さっているジャンル外の心優しい方がいらっしゃるならとにかく見てほしいので明確なネタバレは避けるが、全12話どこを切り取って見てもびっくりするほど面白かった。1話につき3話分くらいの情報量が盛り込まれ、すこぶるテンポがいいのに感情の流れや機微に無理が無いのだ。

人の生死や色恋が絡むと、その感情の変化や振れ幅に伴って物語は否応なしに転がる。そういったエッセンスを入れた作品が面白いのは、面白くしやすいのは、ある意味当たり前だとわたしは思う。ドリフェス!ではそのどちらも起こらない。これはアイカツ!にも同じことが言える。両作品共に、誰も死なないし誰も恋愛をしない。なのにこんなにも胸を打つ。繰り返すようだが、サイコーを超えるアツいアイドルの物語だ。

円盤についているドラマCDの内容も毎回すばらしい面白さで、こちらにおいても「聞いてないよ!!!!!!」とひっくり返るはめになった。アニメイトで円盤を受け取った帰りの車内でよく聴いていたが、本気で爆笑したり泣いたりしていたので、対向車側からすればさぞおそろしい光景だっただろうと思う。

二期に関しては好きな話もあるのだが、消化し切れていない部分がわたしの中に存在する為、ここでは言及を避ける。



アプリでもアニメでも、キャラクターたちのツイッターでも、ドリフェス!のアイドルは「生きている」と感じることがよくある。

彼らがこの世に生まれ出でて16~18年間の人生を歩み、自らの意思をもって行動しているような感覚に陥るのだ。

例えばDDの兄弟関係に関しては、弟のいる兄、ひとりっ子、姉のいる弟、妹のいる兄、兄のいる弟(双子)とバラエティに富んでいるが、その環境で彼らがどんな風に育まれてきたのかが言動でこちらに伝わってくる。名前にしても、兄弟と合わせてご両親がどういう想いを込めてつけたのかがとても良くわかる。『奏』の弟は『律』、『純哉』の姉は『直子』、『いつき』の妹は『あずさ』、『千弦』の兄は『唯弦』。『慎』くんはメンバー内唯一のひとりっ子だが、お母様の名前が『怜』である。このように、名付け方ひとつ取ってしても、深い愛情を感じるのだ。

ちなみに完全に余談だが、いっちゃんを見ていると彼のあまりの兄力にわたしの中の妹が飛び跳ねる。あと黒石くんに関しては絶対絶対絶対兄のいる弟だと思っていたのに勘が外れた。

メンバーの関係性に関しても、通り一辺倒ではない。みんな仲が良いが、変な意味でなくそれぞれにその相手にしか見せない側面があるのだ。どのように人間関係を築き上げてきたのかが背後に見えてくる。何を当たり前のことをと言われるかもしれないが、これを変に誇張することなく自然に成立させるのは稀有なことだと思う。生きた人間の多面性を感じるのだ。

そして2次元の彼らは3次元の彼らと共にあることでその実在性を更に増した。けっして同一人物ではないのに同時に存在していた。不思議な感覚だった。いつだって14人いたのだ。5次元だった。

太田くんの言った「キャラクターってね皆魂あるんです」という言葉が忘れられない。

ありがとう。

 

そう、魂がある。3次元のみならず、2次元のアイドルもこんなにも生きている。

けれど2次元の展開は終わり、それに伴い3次元も“一旦”区切りをつけるのだと言う。

 

やだーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!

そんなの嫌に決まっている。こんなにこんなにこんなにこんなに生きてるのに。

2次元の彼らのアイドル活動はこの先も新しい事務所で、みんなの心の中で続いていくよ!じゃ嫌なのだ。

事務所が移転したって、わたしの目に見えるところでアイドル活動してほしい。

明日へ連れて行ってほしい。

 

色々と絡み合った事情があるのは百も承知だ。

本業が俳優である以上“ずっと”が難しいことなんて最初からわかっていた。

でも“今”じゃなかったはずだ。

 

エゴだしわがままだけれど、それでも言わせてほしい。2次元が歩みを止めるから3次元もというのなら、せめて武道館が終わるまでは5次元でいてほしいし本音を言うなら武道館の先の5次元だって見せてほしい。東京ドームにだって行きたいし、地元にもライブで来てもらいたい。まだ新しい彼らを見ていたい。まだKeep on!しててほしい。

 

サイコーの先は、目指す先はまだもっとずっと遠いはずだ。

 

過去のわたしにできることは前述の通りもうない。やり切った。

それなら今のわたしが未来に向けてやれるだけのことをやろうと思う。

 

思えば叶うわけじゃないけど、思えば叶うことだってきっとあると信じたいのだ。